ベストセラー作家・櫻島桜太郎の娘で車椅子の少女・桜。その世話係を任せられた司書・鹿島田には誰にも言っていない過去があった。それは島田和夫というペンネームでほんのわずかな間だけ作家活動をしていた事。
自分のなれなかった存在を父に持つ高慢で美しい桜の姫に対し、暗い怨念を抱く鹿島田だが…。
中野でいち
【なかの・でいち】
1989年生まれ。2012年第1回登龍門『とらごころ』でデビュー。
読み切り数本を掲載したのち、本作『十月桜』で初連載。
コミティアにもサークル「良識派」名義で作品を発表している。