天才ピアニスト・上城和成の急逝。
弟である裕也は、兄を模した追悼コンサートを行っている。
ただ求められるままに、兄の音を奏でる毎日。
そんな日々を過ごしていたある日、
教室で知らない男子から校内の音楽コンクールに出ないか、と声をかけられた。
裕也を誘ったのは同じクラスの玉森深月。
いやいやながらも深月の勢いに押され、二人はコンクールを目指すことになり……。
心に傷を負った少年二人が、
もがき、苦しみ、自分の音を探す人間ドラマを、
本作でデビューの新鋭が渾身の力を込めて描きます!
【前号までのあらすじ】
玉森がピアノで、上城がバイオリンでという当初とは逆の楽器で出場したコンクールは周囲が混乱したものの、大成功ののちに終了した。
二人で奏でた音楽により兄の呪縛から解き放たれた上城。
一方玉森は、何かに取り憑かれたかのようにその場に倒れ、上城を拒絶しはじめた…。
篠田 芽衣子
【しのだ・めいこ】
1990年生まれ。和歌山県出身、在住。
京都精華大学マンガ学部卒。友達のコミティア参加にほいほいついて行き、担当編集と出会う。
2回ほど漫画家を目指すのをやめ、就職しようと決心するが、翌朝に新しいネームを描き始めたため続けることにした。
一人カラオケと古典的な洋服が好き。プロフィール画像は過去に描いたイラストから。
上城裕也(かみしろ・ゆうや)
急逝した天才ピアニストを兄に持つ。自身も過去にピアノを弾いていたが、兄に敵わないと思い一時期バイオリンを弾いていた。現在はピアノに戻し、兄を模した追悼コンサートを行っている。
玉森深月(たまもり・みつき)
上城を強引に学内のコンクールへと誘う。上城がバイオリンを弾いていた短い期間のことを知っている。明るく無邪気な性格に見えるが、何かを隠しているようで…。