京の各地で怪事件が発生。兄弟子である保憲に事件解決の命を言い渡された陰陽師である安倍晴明。盟友でもある源博雅と共に事件の詳細を辿っていくと、そこには20年前から続くある呪いが示された。全ては純真なる人の業が成した“呪”――。
夢枕獏氏による累計500万部を越える大人気シリーズ『陰陽師』、華麗にコミカライズ!
【前号までのあらすじ】
二〇年の時を越え、再び刀を交える将門と藤太。拮抗する戦いの最中、興世王は維時に襲いかかる。倒れた維時に斬りかかろうとする興世王の手を掴んだのは、死体となった父 貞盛だった。貞盛は死してなお最後の抵抗を見せるも将門の力の前では空しく散る。その時、晴明は将門の首を焼いた灰を藤太に託し、老体から若い体になる呪を唱えた!
安部晴明
独自の知識と手法を用い、数々の怪異を解決してきた都で一、二を争う天才陰陽師。官位は従四位下。
源博雅
晴明の盟友であり、名笛・葉二を奏で、世に「博雅三位」と呼ばれた名高い音楽家。父は醍醐天皇の第一皇子、克明親王。官位は従三位。
蘆屋道満
晴明と実力伯仲の方術士。
蜜虫
晴明が作り出した式神。
賀茂保憲
晴明の師・賀茂忠行の長男であり、兄弟子にあたる。陰陽寮の天文博士・陰陽博士・暦博士を歴任し、穀倉院別当の役職にある。官位は従四位下。
俵 藤太(藤原秀郷)
「将門の乱」のときの立役者のひとり。武勇に優れ、勢多の大蛇をものともせず、三上山の大百足を退治した。将門とは知己の仲であった。官位は従四位下。
夢枕 獏
【ゆめまくら・ばく】
1951年神奈川県小田原市生まれ
1977年『奇想天外』誌に「カエルの死」でデビュー。その後、「陰陽師」「キマイラ」「餓狼伝」「闇狩り師」「サイコダイバー」など各シリーズで圧倒的人気を博す。山岳、冒険、ミステリー、幻想と幅広い分野で多くの読者を魅了する。
1988年「神々の山嶺(いただき)」で柴田錬三郎賞を受賞。
2011年「大江釣客伝」で泉鏡花文学賞、船橋聖一文学賞。
2012年同作にて第46回吉川英治文学賞を受賞。
漫画化された作品では「陰陽師」(漫画:岡野玲子)が第5回手塚治虫文化賞を「神々の山嶺」(漫画:谷口ジロー)が2001年文化庁メディア芸術祭マンガ分部門優秀賞をそれぞれ受賞。
他に劇場映画化に「陰陽師」「陰陽師2」(東宝)「大帝の剣」(東映)などがある。
2013年、歌舞伎座にて上演された『新作 陰陽師 滝夜叉姫』が、新作歌舞伎の優れた脚本に贈られる大谷竹次郎賞を受賞した。
睦月ムンク
【むつき・むんく】
1984年京都府京都市生まれ。
フリーランスのイラストレーター。
日本の古代~中世の世俗文化を題材にした創作絵を得意とす。その他ゲームやノベライズなどのキャラクター画など、幅広い分野で活躍する新進気鋭のイラストレーター。